鉄オタの世界⑭「新富士駅の入換作業」
私が国鉄に入社しました1978年ころの根室本線新富士駅は、釧路西港から石油製品を満載した貨車(主にタンク車)を行き先ごとに振り分ける入換作業をしていました。
西港から出てくる際は、会社単位やガソリンや重油など製品単位になっていて、行き先や運ばれる列車単位にはなっていません。
新富士駅の9番線から、ディーゼル機関車DE10が西港から出てきたタンク車20両前後をけん引して、大楽毛方面の本線を引き上げます。
入換作業は1操4連という形態でした。
DE10の機関士をはじめ、作業に従事する人たちへ指示をして旗を振る操車係が1人、貨車の切り離しや突放(とっぽう)された貨車に乗り、ブレーキ操作をする構内係が4人で、A連、B連、C連、D連と呼ばれていました。
それに転轍係というポイントを操作する担当が1人です。
本線を引き上げると今度は、DE10が最語尾になり、タンク車群を後ろから押す格好になります。
まず操車係の指示でA連がタンク車とタンク車の間に入ってブレーキホースを切り、連結器のピンと呼ばれる錠前のはずす準備をします。
A連からOKのサインが出ると、操車係は緑の旗を振り、運転士にタンク車群を押すように指示します。
DE10が押し始めると、連結器と連結器の隙間がなくなりピンが外れやすくなったのを見極めて、A連がピンを上げる〝てこ〟を操作して連結器を解放します。
ある程度の速度に達すると操車係は赤い旗を出し運転士はブレーキ操作をします。
さきほどA連が切り離した連結器がはずれて、タンク車は惰性で新富士駅の留置線や1~4番線のいずれかに転がっていきます。
どこの番線に入るかは、あらかじめ列車ごとに決めます。
例えば帯広方面への5270列車は2番線、中斜里など釧網本線は4番線・・・てな具合です。
惰性で走ってきたタンク車にB連からD連のいずれかの構内係が飛び乗ります。
飛び乗る時が最も危険です。先輩からは「飛び降りるのは40㌔ぐらいまで大丈夫だけど、飛び乗るのは20㌔くらいまで」と教えてもらいました。それだけ貨車の入換作業は危険を伴います。
タンク車に飛び乗り、所定の場所に近くなったら、ハンドルを回してブレーキをかけて速度を調整します。
最初に突放されたタンク車は構内係が最後まで乗って、決められた場所に停車させ、しっかりとブレーキをかけておきます。
決められた位置というのは、例えば5270列車が8両編成のタンク車だとすると、決められた番線に8両が収まるようにします。

新富士駅の場合、1~4番線の中央付近に、小荷物、手荷物をリヤカーで運ぶための通路があります。この通路を塞がないように、通路よりも釧路駅側に8両のタンク車を入れる算段をするわけです。
もし最初のタンク車の位置がずれて通路を塞ぐことになれば、入換作業の最後にDE10にお出ましいただき、8両のタンク車の位置を修正します。これは構内係にとってとても恥ずかしいことでした。
次回は、突放されたタンク車などのブレーキ操作についてお話します。(鉄道大好きおじさん)




