釧路駅で2時間ぽっかり空いたなら? 地元民が観光客になって歩いてみた
ホテルのチェックアウトが10時で、JRに乗るにも空港へ行くにも、ちょっと時間があるんだよねー。
釧路の観光についての雑談中にそんな話題が出た。
2時間くらい時間が空いた観光客に、釧路駅周辺で案内できるところ。
突然言われるとぱっと思い浮かばない。
そんなの中央図書館一択でしょ!という個人的な趣味は封印し、ここはひとつ、駅で2時間くらい暇を持て余した観光客になってみることにした。まあ、ヨユウでしょう、きっと。
王道の和商市場
釧路駅から和商市場までは徒歩5分。
市場の向こうにはパチンコ屋が見える。2時間あればちょっとだけ…いやいやいや、ソウジャナイ。

市場内は鮮魚から乾物、お菓子までさまざまな店が並び、お土産選びには困らない。
白いご飯の入ったどんぶりを片手に各店で海鮮を選んで載せていく「勝手丼」をはじめ、飲食ができる店も多いので、ここで食事を楽しんでいくのもいいだろう。
何か食べてレポートをしたかったところだが、10時という中途半端な時間ではまだ空腹中枢は刺激されず、飲食は見送ることに。へなちょこな胃腸ですみません。
大きなカニにシャケに、威勢のいいかけ声。
観光客ならば心躍る光景だ。ただ、海鮮を見慣れている地元民はなるべく元気な店員さんと目を合わせないように忍び歩く。
昭和臭ただようお菓子をワゴンいっぱいに積み上げているお店なんかもあって、見ているだけで幸せである。
生姜せんべい、カルメ焼き、数々のかりんとう。土産用の釧路銘菓もばら売りしているので、おやつに1つ2つ買っていくのも良さそうだ。


一通り見て回ったところで時計を見る。え、まだ20分しか経っていないじゃないか。
2時間を埋めるつもりが、早くも予定が狂い始めたか。
向かいの「たんちょう市場ぐるめ館」でコーヒーでも飲んで休憩しようと思って店を出たら、なんとぐるめ館は定休日(水曜定休)。
さてこれは困ったぞ。
幸い天気が良い日だったので、すぐそばの幸町公園で一休みすることに。屋根付きのあずまやがあるので、和商市場で買ったものをのんびり食べるのもいい。

残り時間はまだたっぷり。予定外の幣舞橋方面へ
思ったよりも時間が余ってしまった。これはもう、幣舞橋まで行っちまいますか!
ということで、進路を南へ変更。
ここはあえて北大通を通らないコースを勧めたい。
遊学館近くの散策路は気持ちがいいし、空間がゆったりとしていて足取りものんびりとしたものになる。
そのまま海に向かうようにして、道立釧路芸術館を目指す。赤レンガづくりが印象的な建物だ。
釧路市立美術館と同じく常設展はないが、年間を通じてさまざまな企画展が開催されている。訪れた時は三岸好太郎展の会期中だった。
芸術館の中にはカフェスペースや物販コーナーもあり、小休憩するのにとてもいい。
せっかくだから展覧会で芸術鑑賞でも…と思ったものの、岸田劉生と三岸好太郎の区別もつかない自分である。今回は赤レンガの建物を眺めるだけにしておこう。

埠頭に続く広場や緑地がなかなかの穴場スポットで…と思ったら先に観光客の一団がいるではないか。
ありゃ、もしかしてここを穴場だと思っているのは地元民だけであったか。
考えてみれば、普段この広場を歩く機会なんて、イベントの時くらいだ。日常の移動はほとんど車だし、用事もないのに岸壁を散歩しようとはなかなか思わない。

そうか、港の景色そのものが観光客には珍しいのか。
なんて考えながら歩いていると、岸壁に釣り人発見。
は?こんなところで?
と思っていたらするっとコマイを釣り上げたではないか。
これには観光客も自分もびっくり。
仕込みじゃないだろうな…と疑いたくなるほど絶妙なタイミングだった。

ここまで来れば、すぐ近くにはMOOがあり、幣舞橋がある。
MOOの中にも市場があり、飲食店があり、お土産屋さんもある。慣れない寒さで困ったらアウトドアショップもある。自分が観光客だったら、間違いなく余計な買い物をしているところだ。
実際、Mont-Bellの商品を眺めていたら、あやうく本来の目的を忘れて買い物に没頭するところだった。いかんいかん。



MOOにはEGGという緑地も併設されている。EGGカフェもあるので一息つくにはちょうどいい。


建物を出て、いざ幣舞橋へ。
幣舞橋については、マチナカ観光・30分の幣舞橋無料ガイド、60分の珈琲タイムで、こんな思いつき企画ではなくしっかりと取材記事があるので参考にしてほしい。
あれだけ歩いてまだ1時間

ここまで来て、時計を見る。
まだ1時間と少ししか過ぎていない。
和商市場に寄って、芸術館を眺め、岸壁を散歩して、MOOをのぞいて、幣舞橋まで来たというのに1時間強とは。
思ったよりも釧路の町はコンパクトなのか、それとも自分の歩くペースが速すぎるのか?
ついつい観光の主旨を忘れ、普段通りにさっさか歩いてしまったので間違いなく後者であろう。実はかなりくたくたである。
これから駅に戻るのならば、ぜひともバスを利用したい。さすがに歩いて戻る元気が残っていないぞ。
なかなか歩き回ったぞ。観光したぞ。
満足感に浸っていた時に、ふと思った。
これって、駅で2時間空いた時のコースじゃなくて、
フツーに釧路に来た時の観光コースじゃね?
…。
やっぱり中央図書館に行って郷土の本などを眺めるのが、一番スマートな時間の使い方だったんじゃなかろうか。(編集部:ごめのすけ)
おまけ

昼間の幣舞橋は平凡な景色だが、夕暮れ時には魔法がかかったかのように豹変する。
この日、夕日を眺めに集まった人の数は100人以上。撮影しようと待っている間に数えていたので間違いない。
釧路で暮らしていれば、夕日は日々の風景のひとつでしかないのに、いつしか観光名所になってしまったとは。
地元民としてはなんだか不思議な気分だなあ。




