その他 蔵の記憶
公開:2026/03/15 更新:2026/04/27

伝えたい「蔵」の記憶(433)千秋庵ビル本日オープン

2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。

2022.10.24

 北大通都市改造事業の進捗により北大通が近代的商店街に変貌する昭和45年の12月21日付釧路新聞は、「ボーナスが街を歩く、人、人、ショッピングサンデー20日」、「最高潮の歳末商戦」の見出しで歳末商戦を報道しています。

 雄別炭鉱の閉山、イカの記録的な不漁の中で、史上最高のボーナスが出たクリスマス前の日曜日、デパートの食堂やオモチャ売り場は子供連れの家族で超満員。カラーテレビの売れ行きも好調。車の乗り入れ規制を余儀なくされた北大通、末広町の買い物道路も人の波。歳末の賑やかさを伝えています。

千秋庵ビル

 写真は、「ショッピングサンデー」と新聞が報道した1日前の昭和45年12月20日、釧路新聞に掲載された「新しい時代に挑戦する店舗、千秋庵ビル」オープンの広告です。千秋庵は、同12年8月に完成した洋風建築の店舗で多くの市民に親しまれ、惜しまれながら同45年7月に取り壊されました。

 千秋庵の新店舗は、改築前の牧歌的な店舗を一新した地下1階地上4階の鉄筋コンクリート造、総ガラス張り。北大通りに面した部分にはメキシコ大理石をふんだんに使うというモダンな建物で、「異彩を放って新時代にマッチした店舗にしたい」という店主の照井重一氏の思いが実現した店舗です。オープンした千秋庵の新店舗は、まだ菓子店のみの営業で、喫茶・パーラー、高級茶房は翌年2月初旬オープンの予定です。

 「年末商戦最高のショッピングサンデー」の1日前にオープンして市民に甘い夢を届ける近代的な店舗の千秋庵の商魂は、甘味処宮地、浦田菓子店と共に北大通商店街の甘い記憶を伝えています。

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