HEAT VOICEミュージックヒストリー①「ヒートボイス、軽井沢へ」
はじめに
白糠町出身の目黒広幸さん、釧路市出身の伊藤カズヒロさんでつくるボーカルデュオ「HEAT VOICE(ヒートボイス)」は1995年8月6日に結成した。
浮き沈みの激しい業界にあって、釧路に根を張った音楽活動は高い評価を受け、地元のみならず、幅広い世代でファンを獲得。全国区のミュージシャンとも親交が厚く、交流の輪は広がるばかりだ。
30年以上にわたるヒートボイスの歩みは、釧路の音楽、さらに、釧路のまちづくりの変遷とも重なる。
デビュー以来、スクラップブックを自作してきた伊藤さんと、過去の釧路新聞やチラシ、パンフレットなどを参考に思い出話をし、目黒さんの振り返りも交えながら、ヒートボイスの軌跡、釧路の音楽史、現代史、まちづくりを見直していく。

本編は出来事の発生順で記述する編年体ではなく、過去と現在を行ったり来たりして、さまざまな話題を積み上げていく、時間軸をあえて崩す構成の“スターウォーズ方式”で展開する予定だ。
最終的には、ピースが組み合わさってジグソーパズルが出来上がるように、時系列で整うようにしたい。
Ⅰ.ヒートボイス、軽井沢へ
釧路で育った2人のミュージシャンが1995年に釧路で結成したヒートボイスは、誕生から10年を待たずに、活躍の舞台を釧路のみならず、全道各地に広げていった。
本人たちの気持ちとは裏腹に、周囲から、中央進出、メジャーデビューへの期待も高まり始めた。
「釧路から世界へ」を標榜するヒートボイスは、発信の機会を探す中で、軽井沢ラヴソング・アウォード(同実行委主催)を見つけた。
このアウォードは長野県軽井沢町で2003年から始まった音楽イベントで、同実行委がテーマ設定したラブソングを全国公募。審査を通過した15曲が軽井沢大賀ホールなどで生演奏され、グランプリ曲を決める。
グランプリ受賞者の中には、メジャーデビューを果たしたミュージシャンもいた。
2000年前後は、歌姫の台頭、R&Bブーム、インディーズバンドやネオ・フォークの登場などで、CDの売り上げは全盛期を迎えていた。
音楽番組やオーディション番組も花盛り。ファンが集う音楽フェスも幕を開けた。
ヒートボイスは腕試しの機会として、数あるコンテストの中から、趣旨に賛同した軽井沢ラヴソング・アウォードに絞って初挑戦。同アウォード2004にオリジナル曲「☆(ほし)に願いを」を製作、出品した。

「☆に願いを」は、目黒さんが作詞、伊藤さんが作曲を手掛けたラブソングである。
「あなたに伝えたくて、素直な気持ちでいつも席で待っている/思いがかなうように、あの星に願いを」などのフレーズが、心地よいメロディーとともに聴衆に届く。
先行して同じ年の3月から、釧路市内のマクドナルド各店でイメージソングとして流れていた。
軽井沢ラヴソング・アウォード2004は、全国からプロアマ問わず487曲の応募があったという。
1次審査で同実行委が78曲を選考。さらに、町民審査員100人が78曲を聴く2次審査を実施した。「☆に願いを」は本選出場15曲に入った。しかも、町民100人審査では3位の好成績となる。

2004年7月6日付の釧路新聞で伊藤さんは「自信になった。第一線の音楽関係者らを前に歌う機会を得たことは大きな一歩」と話している。
初挑戦で本選出場の切符を手にしたヒートボイス。
軽井沢で待ち受けていたのは。(編集部:山本雅之)
次回は7月6日に掲載予定です。




