伝えたい「蔵」の記憶(172)昭和モダン
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2016.6.20
釧路の市街地は、伝統的な街並みの橋南地区から橋北地区へ北進をし、昭和初期の西幣舞にはデパート、廉売市場、歓楽街などにより活力溢れる中心市街地が見られます。
街並みは、小松金物店のトンガリ屋根、拓銀のドーム型の屋根、近代的な店舗の丸三鶴屋、異彩のライオン本店など大正ロマンの流れを受け継ぐ和洋折衷の近代市民文化と呼ばれた昭和モダンの様子が見られます。
昭和モダンの時代背景の一つに職業婦人の出現があります。百貨店丸三鶴屋の開業によりショップガールが誕生し新聞紙上で働く婦人像が紹介されています。昭和6年頃の釧路新聞紙上には、カルピス、三ツ矢サイダー、森永ミルクキャラメル、西洋料理と呼ばれたライスカレー、オムライス、カッレツなどの昭和モダンを伝える商品の広告が多く見られますが、情報発信の中心は西幣舞でした。

写真は、昭和6年7月28日釧路新聞に掲載された西幣舞のカフエー「キャピタル」の暑中御伺広告です。当時の流行を思わせるモダンなデザインと「バーテンダー腕に撚りをかけたカクテールの一杯」の宣伝文句は昭和初期のモガ、モボの世相を反映しています。
西幣舞の西洋料理店北陽軒の暑中御伺広告は、アナタの舌を思う存分歓ばせて上げて下さい「ハワイ風のおいしいアイスクリーム」「味、お好みの儘の色美しきソダー水」と昭和モダンを感じさせる宣伝広告で女性の楽しい夢を膨らませています。
昭和モダンは、西幣舞中心市街地に斬新な文化の記憶を誕生させています。




