公開:2026/10/02

鉄オタの世界⑬「昭和の根室本線新富士駅(その2)」

前回、私が1978年9月から勤務していた新富士駅の入換作業をご紹介しました。
今回はその続きで2回目です。

新富士駅の主な貨物は、釧路西港から出荷されるガソリンなどの石油製品です。
釧路開発埠頭の専用列車で釧路西港から新富士駅までタンク車が運ばれてきます。
20両前後ですが、行先がバラバラのまま新富士駅の9番線に据え付けられます。

石油製品を積んだ貨車の入換作業

釧路操車場からやってきた入換用のディーゼル機関車DE10は4番線に到着後、列車掛(貨物列車の車掌)の乗った緩急車を9番線、網走方面からの空のタンク車を7番線に突放(とっぽう)して、9番線の緩急車と石油製品を満タンにしたタンク車に取りつきます。

そして、入替作業をするために根室本線を大楽毛方面へ走り出します。
石油製品を満載したタンク車は1両当たり約50トン、それが20両とすると1000トンもの貨車を1台のDE10がけん引します。DE10は入換に適したディーゼル機関車です。DE10の「D」はディーゼル機関車、「E」はディーゼルエンジンからの動力を受ける動輪が五つという意味です。
DE10を横から見ると車輪が五つあり、そのすべてが動きますので、重たい貨車を動かすのに向いています。

貨物列車のブレーキの仕組み

ここからブレーキのお話をします。
貨物列車は連結器の下にブレーキホースがぶら下がっています。
本線を走る場合、貨車と貨車をつなぐ連結器はもちろん、ブレーキホースもすべてつなぎます。
このホースを通してディーゼル機関車からブレーキ装置に圧縮空気が流され、約5キロの圧力が常にかかります。
これを減圧するとブレーキがかかる仕組みです。

ディーゼル機関車の機関士さんが、列車を停止または減速をするために運転席のブレーキハンドルを操作します。
するとブレーキホースを通じて全列車のブレーキ装置が減圧され、ブレーキがかかります。
逆にブレーキを緩める時には、空気を送り込みます。
走行中に万が一、列車の連結器がはずれて貨車と貨車が途中で離れたと仮定します。するとブレーキホースも切れて、そこから空気が抜けて、ブレーキがかかり安全に停止できます。

入換作業ならではのブレーキ操作

貨車のブレーキは、一部の最新型を除いて反応が鈍いです。
特にブレーキを緩める場合に際立ち、貨車の両数が長ければ長いほどすべての貨車のブレーキを緩めるまでに時間がかかります。
新富士駅の場合、約20両の貨車を扱います。それを行先別に振り分けるための突放作業は頻繁に発進、ブレーキを繰り返します。

すべての貨車のブレーキホースをつなぐと、停車までの距離は短くなりますが、ブレーキが緩むまで時間がかかります。
そのためどうするかというと、約20両の貨車のうち、ディーゼル機関車に近い5~6両くらいの貨車のみブレーキホースをつなぎ、そのほかの貨車はディーゼル機関車からの指令でブレーキをかけられないようにします。

その作業を9番線からディーゼル機関車が、約20両の貨車を持って大楽毛方面に引き上げる際、構内係が5~6両目のブレーキホースについているコックをひねって空気を遮断します。

ブレーキホースのコックをひねる新富士駅で勤務していた鉄道大好きおじさん

次回は、貨車に飛び乗ったり降りたりする突放作業のお話をします。(鉄道大好きおじさん)

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