伝えたい「蔵」の記憶(415)駅前商店街の近代化
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2022.5.16
釧路駅前商店街は、道東の拠点都市・釧路の玄関口の商店街として、旅行者、沿線からの通勤者、通学の学生ら多くの乗降客の交流を支えます。昭和7年の市街地図を見ると、列車を待つ人たちが利用する小さな食堂兼休憩所の渡辺待合所、扇屋待合所、尾張屋待合所と、以久代旅館などの旅館が並び駅前らしい雰囲気です。
釧路民衆駅が完成した昭和36年頃の駅前商店街は、戦前の名残を留める商店街に、食堂と弁当の釧正館、扇屋菓子店、お土産のみどりや、丸勘食堂、以久代旅館などが軒を連ね、大きく変化します。同35年の金市館の開店が商店街に活力を与えていたのです。
昭和36年北大通都市改造事業が始まり、北大通商店街は高層化、大型化、不燃化などの進展により急速な変貌が続きます。同43年12月30日の釧路新聞は「画期的な近代化への脱皮・釧路駅前商店街」の記事で、「歴史を感じさせる駅前商店街の近代化は、道東観光の玄関口のウイークポイントが解消される」と報道しています。

写真は、昭和44年12月5日の釧路新聞に掲載された「釧正館ビル新築落成祝・釧正館創業60周年」の広告です。釧正館ビルは、1階に駅前商店街の記憶を伝える五十嵐商店、みどりや、船田商店と日本旅行。4~6階にビジネスマンのための釧正館ホテルの6階建ての近代的なビルです。釧路駅の記憶を伝える弁当、仕出しの老舗が近代的なビルに変わり、駅前商店街も変貌します。
釧正館ビルの完成した駅前商店街と昭和36年新築開業した釧路駅の街並は、駅前商店街を含めた北大通商店街の都市改造事業の進展の記憶を伝えています。




