伝えたい「蔵」の記憶(303)丸三鶴屋第2期工事完成
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2019.7.29
昭和31年の日本経済は、経済白書で「はや戦後ではないと」と発表され、神武景気が到来して戦後復興から新時代を迎えようとしています。釧路市も漁業、石炭、紙パルプの活況により急速な発展を遂げて、同20年の人口5万633人が同31年は11万9864人と急増して活力ある発展が続きます。
丸三鶴屋は、戦災による店舗の焼失から改装と増築に取り組み、変化する消費動向に対応し、市民生活の向上を支える百貨店として奮闘しています。写真は、昭和31年8月に2期工事が完成した丸三鶴屋です、活力ある北大通り商店街にそびえ立つ6階建ての近代的な店舗です。売場面積は、1734坪(昭和28年1140坪)、従業員210人(同28年170人)と経営規模が一変しています。
高度成長期を迎えた百貨店は、旺盛な消費意欲に対応して高級品から一般大衆商品へを経営戦略とし、家族で楽しめる百貨店を目指します。丸三鶴屋五十年小史は、「長年の懸案たりし、売場面積の拡張を見、食堂部の新設、屋上の開放等市民の要望に応えるに至った」と記述しています。
第2期工事完了は、斬新なデザインの売場に展開するファッション、豊富な品ぞろえで顧客の夢を広げます。食堂と屋上の解放は、子供たちや家族に買物の楽しさを提供するだけでなく、家族や友人との憩いの場となり、市民生活に潤いと夢を与えます。

丸三鶴屋の第2期工事の完成は、市民生活に新鮮な生活情報を提案して市民生活に夢を広げ、北大通り商店街の中核店舗として商店街の発展に貢献する、活力ある北大通り商店街の記憶です。




