伝えたい「蔵」の記憶(252)総天然色白雪姫
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2018.5.21
昭和26年の正月は、新年初大売り出しの商店街と正月興行の映画館など賑やかな広告が新聞に多く掲載され、市民生活に復興の明るさを感じさせます。

写真は、昭和26年1月13日の北海道新聞に掲載された、釧路劇場で上映するウオルトデイヅニー製作の白雪姫の映画上映広告です。広告は、「世紀の総天然色長編漫画遂に14日大公開」、「大人も子供も待ちに待った映画の最高傑作」と謳い、可愛い白雪姫とコミカルな7人の小人を描き子供と大人に夢を与えいます。
白雪姫は、ウオルトデイヅニーの長編映画の第1作目で世界初のカラー長編アニメーションとして昭和12年に完成して世界中の人々に夢と感動を与える人気の映画ですが、日本では戦争の影響で戦後同26年に上映されます。
戦後の小学校では、暗い教室で投影する幻想的な映像を見る幻燈会が楽しみだった事を思い出します。そんな時代のカラー映像で見る白雪姫と王子・邪悪な女王のストリーそして7人の小人が歌う陽気な「ハイホーハイホー」の歌声は、子供も大人も夢のような世界に引き込み、人々に明るい笑顔と力強い活力を与えます。
白雪姫が上映された昭和26年は、朝鮮戦争の特需景気で、繊維産業の糸偏景気、金属工業の金偏景気の流行語が誕生し、日本経済は活況を呈し戦後復興が急速に進展。第1回紅白歌合戦の開催、パチンコ流行、力道山デビューなどにより市民生活に力強い明るさを感じさせます。
白雪姫は、苦難の復興を体験した子供と大人に明るい夢と感動を与え、未来への希望を膨らませた戦後復興の記憶です。




