伝えたい「蔵」の記憶(198)燈火管制電球
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2017.1.30
昭和12年7月7日の盧溝橋事件以降日中戦争が拡大し、新聞報道も戦時の報道が多くなり市民生活へも影響が見えて来ます。昭和13年5月28日の釧路新聞は、「けふから防空訓練」「警報は総て突発的」と防空訓練の予定と、市民の意識を鼓舞する「興国の興敗此の一戦に」を報道しています。このような時局の北大通り商店街の様子を新聞広告で見ますと、好評を博す菓子の大黒屋の「軍用ワッフル」「非常時だから原価に近い値段で奉仕」など戦時局を反映した宣伝が多く見えます。

写真は、防空演習前日の丸三鶴屋の新聞広告です。「護れ大空、洩らすな一燈」「愈々28日より防空演習、御用意は今」と謳う、敵機来襲に備えた夜間の燈火管制に必要なマツダの燈火管制電球と燈管カバーの広告です。広告は、防空演習が実施される前日に掲載され釧路市民へ非常時色をより浸透させている様です。
昭和13年3月12日開催の丸三鶴屋の着物の新作発表会「春の鶴裳會」の広告を見ると、「戦捷(せんしょう)の春に相応しく轟く時代の歩調そのま々に皇国日本の気魄溢る々見事な出来栄え」「戦時体制下の流行色」「戦時体制下の意義を含んで開催」と時局を反映し戦意高揚を図る言葉が目立ちます。
昭和13年4月1日に国家総動員法が公布され、物資動員計画、綿糸配給統制、ガソリンの配給切符制の実施など軍需生産に物資集中が実施されます。生活物資の不足を反映し、木炭自動車やスフと呼ばれた人造絹などが登場します。
燈火管制電球は、戦時の厳しい市民生活を記憶します。




