見た目だけは満点だった―レトロなお惣菜第11回「ドライ・ハッシュ」
70年前の「ハッシュ」とは何なのか
某ハンバーガー・チェーンのメニューにある「ハッシュドポテト」の普及により、ハッシュ=イモの何か、という着想には至った。
しかし、マクドナルドの日本初1号店は1971年がオープンである。
70年前のハッシュとは一体何だろう、そしてドライとあるからにはウェットなハッシュも存在するのだろうか。
調べてみると、ハッシュとは本来肉などを細かく刻んだ料理を指すらしい。詳しくやると長くなるので、今回もアメリカ的なモダン料理が爆誕する気配、という省略前書きで勘弁していただきたい。

なになに、大型の焼きコロッケとな。
どうも自分の担当回はコロッケ率が高い気がするが、それはコロッケ大好き人間なので、無意識にコロッケの匂いがするレシピを選んでいるからにほかならない。
では作っていこう。

地域柄なのか、牛のみのひき肉が売っていない。
コンビーフでも可とあるものの、目が飛び出るほど高いので、今回も合いびき肉を使うことにする。
ジャガイモ中2個に対してひき肉が280gってほぼ肉じゃないのか…?
食べきれないだろうと現実を優先させ、170gへと勝手に減らす。
順調なすべり出し
イモはぐらぐらに茹だってもらいましょう。
その間に玉ねぎでも切りましょう。
すっかりこの企画のおかげで、玉ねぎをみじん切りすることに抵抗がなくなった。ただ、仕上がりを見るとぶんぶんチョッパーが切実に欲しくなる。


具材を炒める。この画角、毎回代わり映えしない気がする。
ずいぶん量が多いなと思いつつ、火を通せば野菜も肉も縮むことを期待して根気よく炒めるが、フライパンの中の体積が減る気配はない。

調味料を投入。ケチャップで色づいた具材はドライカレーにも見える。
塩小さじ2…。
多くないか…?
小さじ1に減らしておこう…。
そこにマッシュポテトを混ぜる。
絶対マッシュポテトの量が足りない。
絞り出し用にとジャガイモを多めに茹でておいたのだが、全部使ってしまいそうだ。
いや待て、コロッケという概念がよくないのか?
イギリス料理のコテージパイの亜種だったりしないのか?
…正解がわからん!
そして、以前「和風コロッケ」でも謎だったように、今回も卵を混ぜる行程が出てきた。
インターネットで調べてみたところ、ふわふわでホクホク食感になる効果が謳われているが、コロッケ愛好家としてはなんだか邪道である。

流しカンなど持ってはいないので、耐熱皿に具材を詰める。
平らに詰められるほど生地状ではない。ただの炒め物がそこにあるだけだ。
絞り出し用にと取ってあった残りのマッシュポテトを蓋代わりにしてバターを散らす。

天火(オーブン)はないのでトースターで代用。
なかなか優れもののトースターのため、途中でサーモスタットが働きまくって、いちいち庫内を冷ます作業に追われる。
焦げ付く心配はないが、生焼けだけは避けたい。
見た目だけは完璧

見た目はかなり好感触。
焼き色はこんがり、バターの香りも十分。
見た目だけならもう完全勝利である。

中は荒々しいがまあ良しとしましょう。
つまりは令和のスコップコロッケだよね。
なんとなく味も想像がつくことだし。
…って。
なんじゃこの塩辛さーーーー!
ガツン!と襲い来る尖った塩、塩、塩。
小さじ1に減らしたのになおこんなにしょっぱいとは!
ねえ、このレシピを考えた人って本当に味見してますか?!(逆ギレ)
そりゃ確かにこっちもひき肉の分量を4割減らした落ち度はあれど、塩も同時に小さじ2から1に減らしたはずだ。塩分濃度はレシピに忠実なはずである。
それとも、賢い奥様ともなると「あら、塩が少し多いわね。ひとつまみに調整しようかしら」などという臨機応変スキルを備えていて当然の時代なのだろうか。
味が足りなければ後から足せばいいが、味が濃すぎる場合はもう取り返しがつかないのである。
塩分に気を取られすぎていたが、地味に全部がぱっさぱさな食感であることにも気が付いた。
「ドライ」ってそういうこと?
なんにせよ、完食は、無理。(編集部:ごめのすけ)





