実は隠れた人気スポット!釧路市動物園で野鳥観察
釧路市動物園は、道東を代表する野鳥観察スポットである。
もちろん、フクロウの仲間やフンボルトペンギン、アカコンゴウインコなどが展示、飼育されているからという理由ではない。北海道最大、国内最大級の敷地面積47.8㌶の園内は、湿地と森林、湖沼が入り交じる野鳥たちの生息地となっているからだ。


6月14日、晴れ。午後1時、西門から入園。
遊園地はもとより、アルパカやレッサーパンダなどの展示には目もくれず、類人猿舎も素通りして、ひたすら、北海道ゾーンのハクチョウ池に向かった。途中の草地、林野では、スズメしか見かけなかったが、北海道ゾーンのオオワシやオジロワシのケージに差し掛かったあたりから、地鳴き、さえずりが聞こえ始めた。
鳴き交わすウグイス、花を探すヒヨドリ、低空飛行のアオジが相次いで登場。毎週、訪れている春採湖に生息する野鳥と比べると、いくぶんせわしないが、それでも、じっと動かず、棒立ちで待っていると、シジュウカラやセンダイムシクイが少しずつ近づいてきた。蚊に刺されそうになったが微動だにせず、双眼鏡を構え続けた。

ハクチョウ池に到着。面積は約6000平方㍍で、中島がある。野鳥がどんどん現れそうな雰囲気があったが、聞こえるのはエゾハルゼミの鳴き声ばかり。
観察できたのはアオサギ1羽だけ。期待していただけに、正直、落胆した。
掲示板によると、冬期間、一昔前まで、シベリアから飛んできたオオハクチョウでにぎわったが、現在は、鳥インフルエンザ対策で全面結氷させるため、渡り鳥の姿を見ることはない、という。
野鳥観察は後半戦に突入。まずは、全長450㍍の木道。
丘陵地から湿原に変わるのを実感しながら、野鳥を探す。シジュウカラやアオジに加えて、木の幹をまっすぐ登っては落下するように別の木に移るキバシリも確認した。

途中のトンボ池では、エゾアカガエルのオタマジャクシが重なり合って群れ泳いでいたが、捕食する野鳥はいなかった。

木道散策を終え、タンチョウ観察広場で、タンチョウにあいさつ。歩みを進め、人工物が迫る中で、林地最後の休憩所のタンチョウ・アオサギ観察デッキに腰掛けた。
水筒のお茶を飲んでいると、聞いたことがありそうだが、気になる鳴き声がする。周囲を見回すと、キビタキの雄を発見。鳴いている。ただ、よく見ると、成鳥ではない。のどはオレンジ色ではなく黄色で、羽も黒色というよりは灰色。全体的に色味が薄く、何より“歌唱力”がいまいちなことから、若鳥と分かった。この日、一番の“鳥果”。
立ち去るまでシャッターを切った。

西門を出発し、園内を巡り、西門に戻った。最後の最後で、急降下し尾羽を震わせ大きな音を響かせる、オオジシギのディスプレイフライト。「雷鷸(しぎ)」の別名よろしく、青空は曇天に変わった。4.5㌔、2時間40分。改めて、園内の緑が、野鳥を呼ぶ環境であると再認識した。
釧路市動物園での野鳥観察する最大の利点は、ランニング愛好家がいないこと。通常の公園や遊歩道ではありえないほどに集中できる。なおかつ、BGMがかかっていないこともありがたい。
次回は、ハクチョウ池が結氷する前の秋、カモ類を狙いに再訪する。(編集部:山本雅之)




