観光 自然釧路町周辺
公開:2026/06/02

初夏の早起き、釧路町森林公園で野鳥観察

早起きは三文の徳――。
有名なことわざだが、現代社会においても早起きは心身の好循環をつくり、出勤前の自由なひとときで仕事の影響を受けないとして浸透している。

「朝活」「モーニングセミナー」「朝のラジオ体操」といった言葉も普及している。一方、野鳥観察では、朝型人間であることが必須事項。多くの野鳥が日の出とともに活動を開始する。餌を探し求める姿を観察、撮影するためには、高価な機材よりも早起きが肝要だ。

5月28日、午前5時30分、釧路町森林公園駐車場。
小雨降る中ではあったが、曇りと表記している天気予報を信じて、2002年会会員のHEROさんと歩き始めた。

雨から霧雨に変わった釧路町森林公園

ターゲットは三鳴鳥の一角を担うコマドリ。
緑が生い茂る前のラストチャンスと位置付けて、遊歩道に入った。天気は徐々に回復し、駐車場から1㌔ほどにある、ふれあい広場に着いたころには止んだ。

一般的に、雨上がりは、降雨で体力を消耗した野鳥たちが羽繕いをしたり、餌を求めて動き回る。
平時より、警戒心が薄れるとも。しかも早朝。期待は高まるばかりとなる中、トップバッターとして、キセキレイが登場した。
まちでも見かけるハクセキレイと比べると、非常に警戒心が強い。いつもなら、観察者が首を向いた瞬間に飛び立つが、雨上がりの早朝という“好条件”も手伝ってか、いつまでも長い尾羽をふりふり。ご機嫌な様子を撮影できた。

爽やかな黄色がまぶしいキセキレイ

さらに、林道を散策。
雨上がりに行動を起こすのは野鳥だけではない。HEROさんが「子ギツネ、見たいな」と話していたところ、前方に黄色い影。
この春生まれたばかりと見られる子ギツネだ。

しゃべり声に引き寄せられたかのように現れた。餌を探すわけでもなく、地面に伏せたり、葉にかみついたり。時折、後ろ足で毛繕いも。距離感を保ちながら、時間を忘れてシャッターを切った。

遊びに出てきた子ギツネを低く構えて撮影

園内の東端付近で折り返し。ターゲットのコマドリは独特の“いななき”は聞こえるが、姿は見えない。
落胆していると、高音域のヒガラ、弾むテンポのキビタキ、節回しの名人であるアカハラが次々と“出演”し、鳴き交わし始めた。「コマドリだけじゃないぞ」「わたしの歌も聴いて」「僕だって上手だよ」と言わんばかり。大合唱を堪能した。

他の野鳥と混群をつくるヒガラ。三角エプロンが目印

再び、ふれあい広場にさしかかった。「キセキレイに会えるかな。あいさつをして帰ろうか」と思っていると、「アーアオーアオー」という鳴き声。双眼鏡を手にしたHEROさんが「高い木の上の方。アオバトだ」と笑った。
手前の枝をかいくぐってピントを合わせると、いた。新緑に溶け込む緑黄色の中、羽の一部に赤みあり。雄と分かった。雌を呼んでいるのだろうか。雨上がりの園内で、姿も声もひときわ目立った。

山野に生息する中では大きい野鳥のアオバト

駐車場に戻ったのは同7時10分。1時間40分の朝活野鳥観察は、本命のコマドリにはついに出会えなかったが、それ以上の驚きと発見があった。三文が現在の100円前後とすると、三百文ぐらい得をした気分だ。

予期せぬ感動に出会う。だから、野鳥観察はやめられない。(編集部:山本雅之)


フィールドデータ

▽場所:釧路町森林公園
▽住所:釧路町字別保322番1323
▽面積:260㌶
▽開設期間:5月1日~11月30日
▽注意事項:園内は車両の通行不可。トイレは西端の駐車場、ふれあい広場、東端の3箇所にある。
▽問い合わせ:釧路町農林水産課林務係☎0154-62-2192

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