夏を先どり!釧路川DEカヌー
釧路で夏が来たと思う瞬間は―。
朝晩にストーブをつけなくなったら夏、霧が出始めたら夏、釧路八重が散ったら夏、熱燗から冷やに変えたら夏、などなど。十人十色、模範解答はない。
ただ、せっかく、釧路湿原国立公園に抱かれるまちで暮らすなら、五感で季節の移ろいを感じてはいかがだろう。
「カヌーに乗りたくなったら夏」と。
5月23日、釧路湿原をたゆたう釧路川で、カヌーツアーに参加した。
旅程は細岡カヌーポート~岩保木までの約8㌔。湿原の広大さと河川のゆったりとした流れを満喫できる定番のコース。
ベテランカヌーガイドの髙橋秀幸さん(グレースフィールド代表社員)を含め5人が乗船。

午前11時30分、パドルを握りこぎ出した。カヌーも大好きだが、「ハルトリココトリ観察記」を手掛ける野鳥愛好家としては〝水辺の宝石〟と呼ばれるカワセミを撮りたい。双眼鏡を用意、カメラも据えた。
軽風を受けて肌寒くはあったが、天気は晴れ。絶好の川下り日和となった。離岸して早々、ヨシを好むノビタキが登場。雄が盛んにさえずり、雌への求愛行動を繰り返していた。
続いて、緑の頭が印象的なヨシガモが気持ちよさそうに水面を滑降。髙橋さんは「ヨシガモは、マガモと似ていますが静かなんです。鳴かないのが特徴って面白いですよね」と笑った。

中盤にさしかかって、前方の視界が開けると、左手に雌阿寒岳、右手に雄阿寒岳が現れた。初めてでも、何度目でも、心躍る遠望で、梯団から歓声が上がった。
後半のヨシ原は、オオジュリンが主体に。ノビタキ同様、雌へのアピールに余念がない。「今年はオオジュリンとノビタキの分布がこのあたりで切り替わるんです。縄張りがあるのでしょうか」と髙橋さん。連日、案内しているガイドの言葉は深い。

さえずりが響く中、上空にはオジロワシが旋回し、獲物を物色していた。野生動物では、エゾシカ、エゾタヌキ、さらに、アメリカミンクも出現、目を楽しませた。北米原産のアメリカミンクは、外来種であって歓迎すべきではないが、愛くるしい姿に罪はない。シャッターを切った。

「昭和六年八月竣功」と刻まれた岩保木水門が見えてくると、ゴールは間近。名残惜しさを感じていたところ、ザザザザザッという大音響。「雷鴫(かみなりしぎ)」の異名を持つオオジシギの雄が、羽音を震わせながらの急降下、ディスプレイフライトを披露してくれた。もちろん、雌への求愛、他の雄への威嚇なのだが「川下り、お疲れ様」とねぎらっているように映った。

1時間45分の船旅を終えて大満足の一行。おいしい空気、手つかずの大自然に癒やされた。ほどよい疲労感も心地よい。髙橋さんは「釧路湿原は夏に向かって、いっそう緑が濃くなり、別の表情を見せてくれます。今回、カワセミには会えませんでしたが、また、乗船して狙ってください」と語った。即座に、再訪を約束した。
風薫る五月。釧路地方は、最高気温がなかなか20度を超えず、いくぶん寒い。一方で、緑の季節はすぐそこまで来ている。カヌーに乗ったら、もう夏だね。(編集部:山本雅之)
- 店名
- 釧路川カヌーツーリング
GRACE FIELD (グレースフィールド)
- 住所
- 釧路市星が浦大通1-7-28
- 電話番号
- 090-8631-0946、090-1306-4191
- 事業内容
- 釧路湿原カヌーツアーガイド、カヌーフィッシングツアー、ジビエ料理




