その他 蔵の記憶
公開:2026/03/13 更新:2026/04/23

伝えたい「蔵」の記憶(376)3丁目名店街ビル

2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。

2021.5.10

 昭和40年12月の北大通り商店街は、強烈な消費意欲をあおるボーナス商戦、クリスマス商戦、歳末大売り出しを打ち出して年の瀬の書き入れ時を迎える中で、クリスマスイブの前日の12月23日付釧路新聞に3丁目名店街ビル落成の広告が掲載されます。

 3丁目名店街ビルは、地階に「女性のためのビヤドリンク」「スパゲッティのニュー泉屋」「理容のたじま」「珈琲の第2コージーコーナー」。1階に金物のデパート村上金物店、本のデパート山下書店、2階も山下書店、3階は住宅で店舗と住宅併用のビルです。

北大通り3~5丁目東側商店街

 写真は、くしろデパート、本のデパート山下書店、金物のデパート村上金物の看板が並ぶ3丁目名店街ビルとマルカツビル、丸三鶴屋が並びます。戦後の復興を支えた木造店舗がビルに変わり、近代的な商店街時代を迎える北大通り3・4・5丁目東側の商店街です。

 3丁目名店街ビルは、戦前の統制時代を乗り越え金物の老舗として市民生活を支え、豊富な品揃えを誇る金物のデパート村上金物に加え、戦後の露店商から出発して活字に飢えた市民に教育文化情報を伝えた本のデパート山下書店が他に負けない書籍を揃えます。2階も文学全集や専門書、大学・高校への受験生の書籍などを豊富に揃えて北大通りの文化のオアシスを自負し、生活と文化の情報を発信しています。

 地階は、市民に人気のスパゲッティとコーヒーの香りを漂わせ、近代設備の理容室が都会の地下街を思わせる憩いの場です。3丁目名店街ビルは、北大通り商店街に斬新な活力を与えます。

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