その他 蔵の記憶
公開:2026/03/13 更新:2026/04/23

伝えたい「蔵」の記憶(368)丸三鶴屋のダイヤモンド・ジュビリー

2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。

2021.3.1

 昭和30年代後半の北大通り商店街は、国内経済の好調と釧路の基幹産業の発展により活況を呈します。同36年の北大通都市改造事業の開始による丸ト北村などの店舗改築や、翌年の野村証券などのビル建設により戦前戦後を支えた古い商店街の近代化が促進されて活気溢れる商戦が繰り広げられる、釧路の躍進を象徴する商店街でした。

丸三鶴屋の宣伝広告

 写真は、昭和37年9月25日の釧路新聞に掲載された丸三鶴屋の宣伝広告です。タイトルは、「ダイヤモンド・ジュビリー」。「すばらしい佳節(かせつ)を象徴する宝石ダイヤモンドにちなみ創業記念として開催する」と説明しています。イラストで家族が買物を楽しむ様子を描く一方、肝心の商品と値段が小さな文字で記載して丸三鶴屋の創業56周年記念売り出しを宣伝していますが、それまでの創業記念売り出し広告とイメージが一新されています。

 当時の丸ト北村の売り出し広告を見ると、「創業55年記念特別大廉売」「躍進丸トの最大の催し」「年に一度の釧路商品名物・特別大廉売」など商品と値段を強調し、大量の商品と廉売を力強く大きく宣伝しています。

 イメージを一新した丸三鶴屋の創業記念売り出し「ダイヤモンド・ジュビリー」は、スーパーマーケットの躍進に対応して、値段で売る時代から品質の時代に移り、百貨店の役割が変わる時代の兆しを感じさせます。釧路市民の多様で旺盛な購買意欲を満足させる新鮮な広告です。

 市民から歓迎された「ダイヤモンド・ジュビリー」は、北大通都市改造事業により近代化が進展する商店街の商戦に斬新な刺激を与えます。

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