伝えたい「蔵」の記憶(357)丸ト北村
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2020.11.16
北大通り商店街は、戦後の混乱期、復興期を通じ市民生活を支え、その復興と活況は新鮮な商品情報によって笑顔で買物を楽しむ釧路市民の賑わいを生みます。
昭和36年に始まった北大通都市改造事業が進められて商店街の近代化が進む同38年9月24日の釧路新聞に、「近代的店舗完成・記念特別大廉売」を謳う丸ト北村の全紙面広告が掲載されました。広告は、「空前の安値と品揃え10万点大提供」「スーパーより品よく値が安い」と商品量、品質、安値を訴え、厳しい商戦に挑戦する丸ト北村のバイタリティーを伝えています。

写真は、旧店舗を改築して完成した鉄筋コンクリート地下1階・地上3階の店舗です。近代的なエレベターとエスカレーターを備え、新鮮な売場が誕生し躍進する丸ト北村の活況を感じさせます。
丸ト北村は、明治39年西幣(現北大通り)創業の老舗ですが、戦時中一時休業し戦後の混乱期に小さな店舗で営業を再開しました。昭和24年間口10間、総坪数34坪の店舗から本格的な営業を始めます。その後、土蔵を取り壊して同29年の店舗面積は100坪、同35年280坪、同36年320坪、同38年450坪と増築を実施。売上高も同34年175百万円、同35年271百万円、同36年377百万円、同38年473百万円と短期間の急増を記録します。(丸ト北村七十年の歩み)
北大通り商店街の戦後は、衣食住を求める混乱期、国内物資の生産の回復期、その後の旺盛な消費動向に対応して市民生活を支えます。その中で、丸ト北村の近代的店舗完成は、北大通り商店街と市民生活に活力と夢を与えます。




