伝えたい「蔵」の記憶(101)四季の像
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2014.10.13
昭和51年11月20日、5代目幣舞橋が完成しました。架け替えにあたり、4代目幣舞橋に愛着を寄せる市民の気持ちを思い、親柱や石積みの石を再利用して旧橋のイメージを受け継ぎながら現代の橋としての機能性を持たせる工夫をしています。
完成した5代目幣舞橋を、当時の新聞は「壮美をほこる幣舞の大鉄橋、大釧路文化のシンボルと報じた」と幣舞橋のあゆみに記載されています。市民の熱意により52年5月3日、彫像「道東の四季」が設置され除幕式が行われます。道東の春夏秋冬を表現した彫像が日本で初めて橋上に飾られ、幣舞橋自慢の景観が市民の熱意で誕生しました。
釧路の歴史と風土を記憶した幣舞橋の景観は、日本一の木処釧路と呼ばれた開拓時代には木材の流送による逞さ、マグロの大漁の時代には釧路川の氷切りとマグロ漁船、戦後のサバ・サンマの大漁では全国から集まった漁船、釧路川を埋め尽くし大漁旗をなびかせて賑やかに北洋へ出漁するサケマス漁船群の活気、車で溢れた高度成長期など発展を続ける釧路の活況、躍進の様子を伝えていました。
しかし、5代目幣舞橋は、交通機能ばかりでなく、市民熱意により設置された「道東の四季の像」より釧路の市民文化を伝える橋になりました。釧路川河畔に整備された公園、散策路、花時計、MOOと、漁船、豪華客船など幣舞橋を中心とする景観は、市民、旅人、子供、大人の多くの人に安らぎと感動を与え、釧路の風土と先人の思いを継承し、次代へ記憶を伝えます。





