伝えたい「蔵」の記憶(420)泉屋のスパカツ
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2022.6.27
水揚げ日本一で賑う飲食店が味を競う「新春味の16店味くらべ」の広告が、昭和45年1月1日の釧路新聞に掲載されます。
郷土を愛する心意気が作り上げた独特の味わいを競う、老舗の味八千代寿司、本格派の味マルホ本店、斬新で新鮮な味レストラン泉屋本店などが繁華街・末広町の自慢の味を宣伝しています。昭和45年頃の末広町は、映画館街が消え、丸三鶴屋新館、オリエンタルデパート、銀の目、チャイナタウンなど飲食店が並ぶ賑わいの繁華街でした。

写真は、新春味の16店味くらべで「楽しいお食事は最高の味と盛り、新鮮で安くてうまい店イズミヤ」と宣伝する末広町2丁目のレストラン泉屋本店です。昭和43年に新築され、ママースパゲティの看板も揚げて多くの市民に食べる楽しさを提供します。
泉屋は、昭和21年に小泉ウタが炉ばた風食堂を開業したのが始まり。小泉俊一さんが同36年大衆的なレストランへ変え、生産都市釧路の風土にマッチした味とボリュームと値段のスパゲティーが人気を集め、「焼いた鉄皿のまま出てくるスパゲティーはヤングや高校生には圧倒的な支持を得た」と「北海道 人と企業」(釧路新聞)が紹介しています。
スパゲティーのメニューの中でも、熱々の鉄皿に豪快に盛られたスパゲティーの上にトンカツが載り、さらにミートソースがかけられ、ジュージューと音を立てたスパカツは、多くの市民に夢と感激を与え、釧路の新しい食文化を創造させています。
泉屋のスパカツは、多くの市民に食べる楽しさの記憶を伝えています。




