その他 蔵の記憶
公開:2026/03/09 更新:2026/04/23

伝えたい「蔵」の記憶(249)昭和25年 年末商戦

2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。

2018.4.23

 昭和25年は、市民生活に明るい兆しが見え景況感が好転します。経済状況の安定と、通貨発行高の96%が100円札で事務の煩雑と取引需要に対応が出来ないため、1月7日に初めて聖徳太子の1000円札が発行されます。

 当時の日本経済に大きな影響を与えたのが、昭和25年6月25日に始まった韓国と北朝鮮の朝鮮半島の覇権を争う朝鮮戦争です。日本経済は、戦争特需を契機として生産活動と消費の拡大が続きます。釧路市の景況は、サバの記録的な豊漁と太平洋炭砿の出炭の増加により好景気で、丸三鶴屋の復興が急速度に進展した、と丸三鶴屋50年小史に記録されています。

年末商戦の広告

 写真は、昭和25年12月2日の北海道新聞に掲載された年末商戦の広告です。広告を見ますと、国内経済は、国内生産活動が徐々に増加して商品の統制が撤廃され、各商店が商売に工夫を凝らした自由競争が始まったようです。百貨店丸三鶴屋は、「全店歳暮大売出し中」を謳い、食料品、雑貨、衣料品と、贈って喜ばれる商品券など品揃えの多さと価格を訴えています。

 北村呉服店は、丸トの衣料品超特価売出し広告で価格と衣料品の豊富さを強調しています。ふとんの西屋と斎藤呉服店は福引大売出し、玩具の白川商店はクリスマスと縁起物正月飾、小杉靴店はオリジナル商品のクシロ印ゴム靴宣伝特売会と各商店が特色ある年末商戦を繰り広げています。

 年末商戦の豊富な商品と価格競争の宣伝合戦は、市民生活に明るさと活力を与え、復興へ挑戦する北大通り商店街の活力の記憶です。

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