伝えたい「蔵」の記憶(192)馬産王国・釧路
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2016.11.21
釧路の主要産業は、水産、石炭、紙、パルプですが、国内有数の馬産地でもあります。釧路地方の畜産は、積雪が非常に少なく広大な熊笹の育成条件に恵まれて年々優良馬を産出していると、釧路市案内が紹介しています。
昭和13年3月21日の釧路新聞に純日本馬改良中間種「奏上釧路種」との記事が掲載されています。釧路畜産組合が改良に取り組んでいた重乗軽輓馬の改良に成功し、同11年の天皇陛下行幸時の奏上を記念して「奏上釧路種」と命名した喜びを伝えるとともに、支那事変が拡大する時代背景もあり優良軍馬誕生に成功した馬産地釧路の功績を称賛しています。

写真は、昭和12年頃の大楽毛家畜市場の様子です。春秋に大馬市が開催されて、近郊及び東北海道に産する良馬が集められ大馬市が開催されて道内と国内各地から仲立業者、俗称馬喰が集まり活況を呈します。
馬産王国釧路の活況を支える、獣医、牛馬商、牧草販売、馬車馬橇製作所、蹄鉄屋、馬具製造店などが市内に見られました。記録に因りますと、大正の末か昭和初めに開業した秋田河馬具店、入山馬具店と、製靴、鞄と馬具の店鍵本の外2店が中心商店街の北大通で営んでおり、馬車、馬橇の輓用馬具、農耕馬具を職人が製造する専門店でした。
馬車運搬業の推移を見ると、大正初期に2百台であった馬車が物資の集散量の増加で戦前昭和期には3百台に増していると「馬産大国・釧路」に掲載されています。
馬車や馬橇が、木材、石炭など満載して北大通商店街の馬具店の前を歩く光景は馬産王国釧路の記憶です。




