その他 蔵の記憶
公開:2026/03/06 更新:2026/04/23

伝えたい「蔵」の記憶(168)三ッ輪運輸創業

2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。

2016.5.16

 昭和6年釧路市案内(釧路市役所発行)の巻頭で、「北海道は南北に走る狩勝の分水嶺が自然の障壁となり、狩勝以西の物資は小樽港などを経、以東釧勝北根の物資は釧路港を経て道外へ輸出されるのが経済上有利であり釧路港を整備して、西に小樽港あり東に釧路港ありと言うべきである」と釧路港が釧路の発展を支える状況を伝えています。

三ッ輪運輸株式会社創立開業御挨拶

 写真は昭和6年6月24日の釧路新聞に掲載された三ッ輪運輸株式会社創立開業御挨拶です。三上運送株式会社は港湾の発展に対応して営業の拡大を図るため室蘭を拠点とする栗林商船と提携し三ッ輪運輸株式会社を創立します。海陸運送業、艀仲仕業、労力請負業、保険代理業と釧路港の港湾荷役事業の中軸を担う会社が誕生します。

 創立開業について、「本秋開通する北見と釧路を連絡する釧網線全通に伴い、貨物の増加及び市営岸壁(南埠頭)利用により今後相当資金を要す…新たに独立した会社を創立せんとす」。社章は三上運送株式の記号三ッ輪印を使用し社名は社章の呼称そのままで決まった。(三ッ輪運輸55年史)

 西幣舞四番地(現錦町三ッ輪ビル)に創業した三ッ輪運輸株式会社は、釧路川の河川運輸の終了と鉄道の延伸により鉄道と汽船を結ぶ物流の新時代に挑戦します。遡って明治34年に釧路~白糠間に鉄道が開通してから時を経て、西幣舞は釧路停車場、倉庫、運輸、商社の街並みが誕生し物流拠点釧路の発展を支えます。道東の拠点都市釧路の中心市街地として活況を呈する西幣舞の街並みは変貌の記憶も残しています。

前「座売りからの陳列」    次「祝釧網線全通」

TOP