伝えたい「蔵」の記憶(329)一年後はビル街
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2020.3.9
道東の中核都市釧路の玄関口の釧路駅は、昭和35年10月改築に着工し、躍進釧路の顔として民衆駅釧路が同36年12月1日に完成します。又、この年の4月に北大通都市改造事業が始まり釧路の中心市街地・北大通りの街並みの近代化に着手し、市勢の活力を釧路市民に感じさせます。

写真は、釧路民衆駅の着工が近づいた昭和35年9月9日の釧路新聞に掲載された記事です。「北大通りの増改築盛ん」「一年後はビル街」と題して駅前広場に直通する北大通り商店街の店舗や会社の増改築、新築の様子を報道しています。北大通り商店街は、戦災を受けた北大通り1丁目から5丁目の東側を除き戦前の名残を留める商店街でしたが、8丁目の松村カバン店、菓子の老舗山木浦田菓子舗、9丁目の履物店まことや、渡部金物店、10丁目のニコニコ屋本店、11丁目の田中菓子店などが相次ぎ改築、新築。記事は、躍進釧路を象徴する北大通り商店街の急速な街並みの変貌の様子と、北大通り12丁目の野村証券と13丁目の日興証券、ナショナルビルの大規模な建設計画を伝えています。
近代的なステーションデパートのある4階建の釧路民衆駅、地下1階地上5階の野村証券、地上4階建の日興証券の建設によって、「駅前商店街の景観が一新されビル街が誕生する」と報道しています。ビル建築相次ぐ北大通り商店の様子を昭和37年の余塵(釧路新聞)は、「小都市から中都市へ脱皮」と評論しています。
戦後の復興期を乗り越えた北大通り商店街のビル街誕生は、市民生活に夢と活力を与えた躍進釧路の記憶を伝えています。




