その他 蔵の記憶
公開:2026/03/10 更新:2026/04/23

伝えたい「蔵」の記憶(295)丸三鶴屋五十年小史 本店新築

2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。

2019.5.27

 明治44年9月4日皇太子殿下(大正天皇)が行啓され、釧路町民は公会堂を新築して奉迎します。「北辺の我釧路町民始めて雲上高貴のお方を迎え奉り歓抃限りなし」と皇太子殿下行啓の様子を「追憶五十年」(両角栄治著)に記述しています。

 皇太子殿下行啓の喜びの年、明治44年10月に、丸三両角呉服店本店が落成して、10月2日より新築記念売出しを挙行します。写真は、真砂町14番地(現南大通5丁目)に完成した土蔵造りの店舗、倉庫と住宅です。開業5年を経て順調な発展を遂げ店舗が狭くなった為の移転新築です。本店落成当時の両角呉服店の業績について、「店業の基礎漸く確立し全員一致協力し次第に業界に於いて認められる」と丸三鶴屋五十年小史に創業者両角栄治氏の言葉が載っています。

両角呉服店本店

 明治39年開業した丸三両角呉服店は、当時の有力な同業者との熾烈な競争を「薄利絶対と現金主義」と「良品の廉価販売」で対抗して奮闘の結果地盤を開拓します。「当時の釧路町の呉服店は、両角栄治さんの方針に迫害を加えて孤立化を図ったが、店頭に顧客が群れをなし大成功を成就した」と孤軍奮闘の様子が「釧路国便覧」(明治40年12月15日発刊)に記述されています。其の後、両角栄治さんは、旧慣打破の方針で奮闘しながら同業者との理解を深めて釧路織物商組合長に就任して業界の改善に努めます。

 商勢の拡大を図るため、明治43年9月北見国野付牛(現北見市)支店を設置、大正2年西幣舞11番地(現北大通5丁目)に支店設置と市場の動向に着実に対応します。

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