その他 蔵の記憶
公開:2026/03/10 更新:2026/04/23

伝えたい「蔵」の記憶(280)昭和29年の末広町

2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。

2019.1.28

 北大通り商店街の東側に広がる末広町2丁目から5丁目は、映画館、飲食店、料亭などが軒を並べる釧路の中心繁華街として戦前から釧路市民に親しまれた街です。昭和20年の釧路空襲で焼失しますが、力強く再生し戦後復興に取り組む釧路市民の憩い場としての役割を果たしています。

 朝鮮戦争の特需景気が収まった昭和29年の繁華街末広町を同年の住宅地図で見てみます。末広町4、5丁目は、釧路劇場、オデオン座、東映劇場、東宝劇場、セントラル劇場が軒を並べ、少しはなれて国際シネマと新鮮な娯楽を楽しむ市民で溢れる映画館街です。

 映画館街を取り囲むように、道楽パチンコ、一マルパチンコ、ニコニコホールなどの遊技場や、家族で食事を楽しむ洋食のトキワグリル、ラーメンの銀水とばってん、高級な八千代寿司、おでんの住友など大小の飲食店が軒を連ねています。夜の末広町をネオンサインが照らし、バンド演奏でダンスを楽しみ、ホステスが客をもてなすキャバレー上海、ニュー東宝などが末広町5丁目に並び、周りをニッカ、オーシャン、神谷、ジンなどの小さなバーが取り巻く様に連なっています。末広町2丁目から5丁目の賑わいは、釧路市民自慢の繁華街です。

キャバレーニュー東宝の元旦仕事始め

 写真は、末広町5丁目のキャバレーニュー東宝の昭和29年元日の仕事始めの様子です。ミラーボールがキラキラ輝く店内に日本髪と留袖で正装した女性が勢揃いした様子は、今年も頑張るぞと意気込みが伝わります。

 昭和29年の末広町は、躍進する道東の中核都市釧路の活力の記憶を伝えています。

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