その他 蔵の記憶
公開:2026/03/09 更新:2026/04/23

伝えたい「蔵」の記憶(258)橋南大売り出し

2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。

2018.7.16

 昭和26年師走は、観光道路新設など釧路土現の明年事業計画や、焼失した市立病院再建計画、都市基盤の基となる明春着手の区画整理計画などが新聞報道されて戦後復興から新しい時代への希望が感じられます。市民生活の明るさの回復と夢を支える商店街は、新聞に掲載された広告合戦も新しい時代を伝えています。

南大通り商店街の「橋南大出し」広告

 写真は、昭和26年12月22日の北海道新聞の広告合戦の中に見られた、復興した南大通り商店街の「橋南大出し」の広告です。期間は、歳末と年始で、クリスマスのベルと正月の水引をデザインしています。参加店は、南大通り1丁から6丁目の69店とその他2店の共同企画で、店単独の企画が多い北大通り商店街と対照的です。

 橋南大売出しは、1等上等桐タンス、2等醤油1斗樽、3等蜜柑1函、4等箱入り砂糖、ラッキー賞の賞品があたる300円(買い上げ)の運ダメシ・抽選会です。ラッキー賞は、小西印佐々木商店「特製大たらい」、ハコダテヤ帽子店「紳士用中折帽子」、おとや楽器店「ギター」など参加店自慢の商品が寄贈され、抽選会場に展示されています。

 参加商店を見ますと、その後北大通りへ進出した「はとや洋品店」、子供に人気の「どりこ菓子店」、「栄屋菓子店」、「須貝文具店」、老舗の「進藤金物店」、「岩堀薬局」等南大通り商店街の伝統を受け継ぐ商店が復興しています。

 戦後の街並みは、人口の急増により北大通りを中心とする北進が加速しますが、橋南大売り出しは、伝統的な南大通り商店街復興の活力の記憶です。

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