伝えたい「蔵」の記憶(256)北大通6丁目
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2018.6.25
北大通商店街は、戦時の統制経済による転廃業、戦後のインフレ経済と物不足を体験しますが、サバ、サンマの豊漁と朝鮮戦争の特需景気により明るさを取り戻します。 写真は、現在セブンイレブンの店舗がある北大通6丁目東側の昭和20年代中頃の商店街で、戦災から復興した丸三鶴屋は、力強さを感じさせる 社旗を掲げ、空襲の猛火に耐えたドーム型の屋根の菓子の老舗千秋庵と、大谷時計店、玩具問屋の白川商店、肉の専門店の高橋商店、三宅カバン店が見え、道路沿いにゴミ箱が整然と置かれ清潔な街並みです。大通りには、ボンネット型バス、戦後急速に普及したエンジン付きの三輪車のタクシー、自転車が走る明るい街並みです。

昭和26年の歳末の新聞紙面は、復興を感じさせるクリスマスと年末商戦の広告合戦が見られます。広告の中の玩具問屋白川商店の「Xマスデコレーションセット」「締縄かざり・えんぎもの大量」の広告は、サンタのおじいさんとお正月の楽しさが市民の話題になります。店のウインドーに見える金銀、色とりどりのクリスマスツリーや羽子板は、苦難を体験した大人や子供達に夢と笑顔を届けているようです。
戦時統制中も菓子造りを続けた菓子の千秋庵は、甘い夢を届けるクリスマスケーキ造りに奮闘した記憶を伝えています。昭和26年12月24日北海道新聞は、プレゼント、クリスマスケーキが飛ぶように売れてホクホクと年末商戦の商店街の活況を報道しています。
北大通6丁目商店街は、復興期の市民に夢と笑顔の記憶を届けています。




