伝えたい「蔵」の記憶(227)昭和22年歳末
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2017.9.25
昭和22年は、日本国憲法施行、6・3制教育に加え、北海道庁長官公選で田中敏文が当選、第1回民主選挙で釧路市長に佐熊宏平が当選など新憲法の下で新しい時代を迎えています。
市民生活は、インフレ進行、預金封鎖と旧円と新円の切替、食糧危機、衣料品切符制の復活により耐乏生活が続きますが、明るい話題も見ることが出来ます。

写真は、昭和22年12月24日北海道新聞に掲載された「歳末福引大売出し」の広告です。市民生活は、戦時統制経済、戦後の物資不足により厳しい状況が続いていましたがようやく市民が楽しむ年末商戦が実施されました。
広告を見ると、参加店は釧路市内と鳥取町の商店350軒が参加する大型の売出しです。景品は、タンス、ミシン、鏡台などで夢を膨らませる福引を楽しでいます。丸三鶴屋は、正月用の食料品入荷案内と歳末福引売出、年内無休と正月三日初売りを案内しています。
歳末の景況に付いては「釧商の物価指数11月から4割高」とインフレ懸念を新聞が報道していますが、商店街の歳末大売り出しと丸三鶴屋の売出しは、市民生活に潤いを与え低調な市民の購買意欲を活性化させている様です。
12月22日の新聞は、零下17度3分の凍り付く早朝、お酒自由販売に触発されて釧路市内47酒小売店前に朝3時頃から火鉢を抱えて座りこんだ話題や、子供達の笑顔を伝えるクリスマス会、昨年に比べて2倍以上値上がりした歳の市の話題が新聞に掲載されています。
昭和22年歳末は、厳しい中に和やかさを感じさせ、復興への活力と希望が見えます。




