釧路の〝マチ〟北大通で来店客を癒やし続けて90年。喫茶リリーで香り高いコーヒーをどうぞ!

北大通の4丁目、かつて「丸三鶴屋」として親しまれた建物の道路を挟んで斜向かいにあるビルの地下に「珈琲店リリー」はあります。
そういえば昔から、人気のある喫茶店の多くが地下にあったような気もしますね。
店の肩書きが「喫茶店」ではなく「珈琲店」なのにも、時代を感じさせます。しかし道路からの入口上にあるひさし屋根は、つい最近新調されたばかりのようでピカピカです。


重厚感のあるガラス戸を開けて階段を降りると、踊り場の壁にもコーヒーカップを掲げたキャラクターの看板が。
店内外のそこここで見られるこのキャラクターは果たしてオリジナルなのでしょうか?
同じ意匠の内部ドアを開けて、ようやく店内に到着です。
入ってすぐ右手の壁には古い写真がたくさんパネルに貼られて掲示されています。
タイトルは「喫茶リリー 愛され90年」。
そう、このお店の開店は戦前の1935(昭和10)年、昨年で開店90周年を迎えた釧路最古の喫茶店なのです。

店内はいかにも「ザ・昭和」の喫茶店を体現したような、ベロア地のイスが並ぶ落ち着いた内装。
正面の壁には空を舞う3羽のタンチョウが木彫りのレリーフとなっています。年に数度、不定期に行われている音楽コンサートなどでは、この壁をバックにステージが繰り広げられます。まさに昭和の「うたごえ喫茶」そのものなのですね。


席に着いてメニューを眺め、コーヒーを注文。
そういえば、大抵の喫茶店では「ブレンドコーヒー」と書かれているホットコーヒーが、ここでは「キャラバンコーヒー」と明記されています。そうか、入り口から何度も見かけた謎(?)のキャラクターは、1828年・横浜発祥という老舗コーヒー豆店「キャラバンコーヒー」のキャラクターだったようです。

BGMには聞き覚えのあるクラシックの名曲が続きます。カウンターには常連と思しき年配客がいつでも数人。カウンターに置かれた写真集や新聞を読みながら、思い思いの時間を過ごします。
そう、この空間では、時間もゆっくりゆっくりと流れているようです。

コーヒー1杯でお暇するのも寂しいので、これも人気のチョコ&フルーツパフェ(800円)も追加注文します。決して「インスタ映え」するような派手さはないものの、これまた昔ながらの「王道」のパフェそのものといった優しい味わいで、ほっこりと優しい気持ちになれたように感じます。

そういえば着席してすぐに運ばれて来たのが「お冷や」と「おしぼり」なのは普通としても、灰皿まで置かれる店は、今どき喫茶店でも貴重なのではないでしょうか。
さすがに「箱入りマッチ」は、かなり前に製造メーカーがなくなったそうで、40年前を最後に配らなくなったようですが...。

最後にレジでお会計をしようとすると、レジスターの機械がまるでアンティークの調度のように豪華絢爛なのにもびっくり。
3代目店主という工藤淑子ママにお礼を述べて、お店を後にしたのでした。(ライター:さださん)

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