伝えたい「蔵」の記憶(363)躍進丸ト北村
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2021.1.18
昭和30年代の国内経済は、同31年の経済白書が「もはや戦後ではない」と報告し神武景気、岩戸景気により活況を呈します。釧路では、北洋漁業の盛況、石炭の増産、本州製紙の進出など三大産業の発展により人口急増と市勢の拡大が続きます。
北大通り商店街は、旺盛な購買意欲に対応して品揃えの充実、店舗の拡充などで同様に活気づきます。昭和36年には北大通都市改造事業が始まり、北大通り商店街の不燃化へ店舗の改築が行われ、近代化が促進されます。

写真は、「本日より華々しく開店・空前の安値と品揃え10万点大提供・スーパーより品よく値が安い300種」を謳い、昭和38年9月24日付釧路新聞に掲載された、丸ト北村の近代的店舗完成記念特別大廉売の広告です。近代的店舗完成記念広告は、創業精神の「お客様第一と薄利多売」を実践する丸ト北村のバイタリティーを感じさせます。
丸ト北村は、昭和30年12月に丸ト北村呉服洋品店から商号を丸ト北村に変更、同35年5月に増築を実施し、売場面積を280坪に拡張して年商2億7千万円を記録します。さらに同38年は、地下1階地上3階に改築して売場面積450坪に拡張し、エレベーターとエスカレーターを備えた近代的店舗が完成。年商4億7千3百万円、従業員100名と短期間で売上高を倍増します。
昭和30年代の丸ト北村は、生活に余裕が出来た消費者の要望に対応するため、最新の商品情報を収集して安値と良質の品揃えを実践し、店舗の拡張にも積極的に取り組みます。「衣料品は丸ト北村」と顧客から歓迎され、北大通り商店街の活況を支えます。




