その他 蔵の記憶
公開:2026/03/10 更新:2026/04/23

伝えたい「蔵」の記憶(293)丸三鶴屋五十年小史

2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。

2019.5.13

 創業50周年を迎えた丸三鶴屋は、昭和31年10月24日から11月11日まで記念感謝大売出しを開催しますが、同時に丸三鶴屋と釧路の50年の歩みを伝える「釧路と共に歩む50年史」を開催します。「創業50年を迎えた鶴屋が、店の歴史を顧客に見て貰おうという意図だろうが、陳列してある当時の釧路新聞や街並の写真、資料は、誠に興味深い」と余塵三十年(釧路新聞社)が伝えています。

五十年小史

 写真は、丸三鶴屋創業50年記念で開催された「釧路と共に歩む50年史」を冊子にまとめた丸三鶴屋の「五十年小史」です。和紙を絹糸で綴じた小さな冊子ですが、明治39年に真砂町(現南大通り)で創業をした丸三鶴屋の50年の歩みの節目の年次、沿革、一般世情の出来事を項目毎に記述しています。非常に明確で簡潔ですが心に響く小史です。

 創業年次の明治39年の記述を見ると、沿革に、「10月釧路町字真砂町五十八番地(現南大通り7丁目)に於いて両角栄治が個人開業、丸三越後屋と称し呉服、綿布、洋反、雑貨の卸小売業を開始す」、「『薄利誠実』をモットーとして店主以下12名厳しい競争中に在り孤軍奮斗克く商運を拓く」と新天地釧路で開業した決意を感じさせます。

 一般世情では、「鉄道は釧路より帯広迄にて十勝の雑穀駅構内に溢れ、水産、木材景気にて活況を呈す」と、開業を決意させた釧路の景況を的確に伝えています。

 丸三鶴屋五十年小史は、創業者両角栄治さんと後継者克治さんの実践と体験を通じ、真砂町、西幣舞、北大通りの「丸三鶴屋と釧路の生きた50年」の記憶を伝えています。

前「丸ト北村創業満50周年」    次「丸三越後屋開店」

TOP