伝えたい「蔵」の記憶(291)創業50周年丸三鶴屋
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2019.4.29
戦中戦後の市民生活を支えた北大通り商店街の中核店の丸三鶴屋は、昭和31年10月創業50年を迎えます。同31年頃の市民生活を見ると、戦中戦後と長く続いた食糧品、繊維製品の不足が戦後10年を過ぎてやっと解消し市民生活に明るさが増しオシャレな生活を楽しむ様になりました。
丸三鶴屋は、戦時統制経済、店舗の焼失を乗り越えて荒廃した店舗を再建し、物々交換所の開設、店舗の改修と商品の充実に取り組みました。昭和25年、28年、29年、31年に店舗の増築と施設の近代化に取り組み釧路市民の旺盛な購買意欲に対応します。

写真は、昭和31年8月に完成し「市民の要望に応うるに至った」と丸三鶴屋50年小史に記載された壮観な6階建ての店舗です。増築された店舗の1階に銀座マーケットが開店し、北大通り商店街に新しい賑わいが誕生します。
丸三鶴屋は、「明治、大正、昭和に3代にわたるご愛顧にお応えする」と謳った、奉仕品を揃えて10月24日から11月11日迄「創業50周年記念感謝大売り出し」を実施し、同時に「釧路と共に進む50年史」を開催して丸三鶴屋と釧路の歩みを伝えています。
売出し広告を見ますと、「優良百貨を充満」「あふれる感謝の数々」「真心でつらぬくこの品質値段」「お買い物人気を独占」など強烈な宣伝広告を掲載して、旺盛な購買意欲の釧路市民へ丸三鶴屋の創業の指針「丸三は品物良く安価」を謳っています。
創業50年を迎えた丸三鶴屋には、店舗の増築と設備近代化、豊富な品揃えにより多様化する市民生活に情報を発信する活力が感じられます。




