その他 蔵の記憶
公開:2026/03/10 更新:2026/04/23

伝えたい「蔵」の記憶(290)鶴屋増築落成

2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。

2019.4.22

 日本経済の高度成長が始まった昭和29年12月から同32年6月までの好景気を神武景気と呼んでいます。当時の釧路は国内経済の好調と釧路の主要産業の漁業、石炭、紙パルプの活況により急速な発展を遂げ、日々街並も変化しています。

丸三鶴屋の増築落成記念大売り出し広告

 写真は、昭和31年8月2日の釧路新聞に掲載された丸三鶴屋の増築落成記念大売り出しの広告です。増築落成した店舗全景がイラストレーションで描かれ、近代的設備、生活に直結した優良百貨の提供を謳っています。

 丸三鶴屋50年史は、第2期増築工事完了について、「6階建本館は北大通りに於いて偉観をなす。売場面積の拡張、食堂部の新設、屋上の解放等市民の要望に応えるに至った」と増築落成と北大通り商店街復興の喜びを記述しています。

 今回の増築は、売場面積拡張の為の工夫がされています。増築部分の1階部分を地権者が入居する店舗「銀座マーケット」とし、2階より上階を丸三鶴屋の店舗として使用、一階の銀座マーケットと鶴屋の間に通路を設けてお客様の交流を図っています。拡張された売場は、豊富な商品を揃えた時計・貴金属売場を開設し、家族が楽しむ明るく綺麗な食堂を新設して屋上を市民に開放しました。増築落成記念の「ベビー水族館」開催は、北大通り商店街の中核店舗として商店街に新鮮な活力を与えています。

 丸三鶴屋は、昭和20年7月の空襲により類焼し戦後経済の混乱期に市民と共に厳しい体験をしますが、増築落成は、商品と新しい文化を発信する百貨店へ躍進する復興丸三鶴屋の記憶を伝えています。

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