その他 蔵の記憶
公開:2026/03/09 更新:2026/04/23

伝えたい「蔵」の記憶(265)十勝沖地震と丸三鶴屋

2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。

2018.9.17

 昭和27年3月4日午前10時23分釧路は、震度5の地震に見舞われました。十勝沖地震の発生です。太平洋炭砿では、ズリ山が崩れ、炭住2戸が押しつぶされ、学校の集合煙突が倒壊するなどの被害が発生します。

 地震発生後津波警報が発せられ、釧路川の船は大混乱し、下町の人達は高台に避難するなど釧路市内は混乱が続きます。災害の日から3日目の3月7日の北海道新聞は、「災害の日から3日、災害にもめげず復興へ」「被災者3千余名数う」「国鉄不眠の復旧作業」と災害関連の情報を伝えています。

「震災お見舞特別大奉仕」の広告

 この紙面中に、写真の「震災お見舞特別大奉仕」を謳う丸三鶴屋の広告が掲載されています。広告は、「謹んで皆様の御安否を御見舞申上げます」と震災のお見舞いを伝え、現在手持ちの商品の中で「さしあたりの必需品を超特価奉仕することを決意した」と伝えています。商品情報を見ますと、食料品、雑貨などのほか、ゴム長靴、毛布、電球、ラジオなどの災害必需品が見られます。

 3月は、家族が楽しみに迎える入学・卒業の季節で、セーラー服、学生服も提供されています。価格は、通常と奉仕を明示し、7日から9日迄の3日間の大奉仕です。

 余震が続く中で損傷した陳列商品と店舗の整理に取り組み、実施された震災直後の「震災御見舞特別大奉仕」は、自然の猛威に茫然とし動揺、不安の残る釧路市民に安心と元気を与えています。悪条件を克服して企画実施された大奉仕会は、震災時の市民生活を支える北大通り商店街の中核店である丸三鶴屋の役割を伝える記憶です。

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