伝えたい「蔵」の記憶(218)国鉄乙女
2012年から釧路新聞・文化欄で連載された木村浩章さんの「伝えたい「蔵」の記憶」を全回数分デジタル掲載します。屋号などの特殊文字については仮名表記に修正。見出し、本文、写真につきましては掲載当時のままとさせていただきます。
2017.7.17
昭和20年2月12日の北海道新聞に、釧路市民の戦意高揚を確認する「今こそ6万人の誓・必死の気魄烈々」の記事が掲載され、本土決戦を決意した釧路市民の緊迫した戦時の市民生活の様子を伝えています。同じ紙面に、市内高女生のヨシ俵製造奮闘記、学徒動員への激励などの記事が見られ、厳しい戦況を乗り切る為に女性、女学生、中学生が貴重な銃後の戦力増強の役割を果たしています。

写真は、男性に代わり国鉄の輸送戦士を担う逞しい女性「鍛える国鉄乙女」を紹介した記事です。決戦輸送の職場を支える女性輸送戦士は、昼食時間に寒風の戸外へ飛び出し縄跳びで身体を鍛えて決戦の職場を守る激務に備えています。決戦輸送を担う乙女達の気迫は、深刻化する戦況の中で新鮮な逞しさを感じさせます。男性の職場への女性の進出は、太平洋炭砿坑内、選炭作業にも就業が記録されています。
女性の徴用と共に銃後の貴重な労働力となった学徒動員を見ると、昭和20年の全国の大学・高専・師範学校が64.1%、中学校(含む女学校)が81.1%、国民高等小学校38.6%の動員率が記録され、授業より作業が優先されています。
昭和19年8月の釧路工業学校の学徒動員状況は、太平洋炭砿、雄別鉱業所、東日本造船会社、王子製紙などに動員され厳しい環境で生徒が作業に従事しています。(釧路空襲)
空襲、B29撃墜、神風特攻隊など緊迫した戦況を伝える記事の中で、掲載された女性輸送戦士、学徒動員記事は、銃後を護る釧路市民に多くの記憶を残しています。




